建設業は28業種に分かれています。
建設業許可を取る上で業種を理解することは重要です。
- 自分が行っている業種が何になるのか
- 建設業許可が必要な業種がどれになるのか
よく確認してください。
このページでは、建設業28業種について、それぞれの業種の例となる工事を記載し、ご自身の業種がどれに当てはまるのか判断ができるようにしております。
また、一式工事については勘違いされる方が多いので、一式工事をお考えの方はよくご確認ください。
もしこのページを見ても業種がわからなければ、都庁、県庁にて個別に確認した方が良いでしょう。
その流れについても記載しております。
業種が決まりましたら、その業種における建設業許可の要件をクリアしているかの確認となります。
業種ごとに要件をまとめておりますのでお確かめください。
目次
1.建設業28業種
2.土木一式工事や建築一式工事の注意点
3.業種がわからない場合の確認方法
4.業種ごとの建設業許可の要件
1.建設業28業種
建設工事の種類は2つの一式工事と26の専門工事に分かれています。
業種名をクリックすると詳しい説明に移ります。
- 土木一式工事業
- 建築一式工事業
- 大工工事業
- 左官工事業
- とび・土工工事業
- 石工事業
- 屋根工事業
- 電気工事業
- 管工事業
- タイル・レンガ工事業
- 鋼構造物工事業
- 鉄筋工事業
- 舗装工事業
- しゅんせつ工事業
- 板金工事業
- ガラス工事業
- 塗装工事業
- 防水工事業
- 内装仕上工事業
- 機械器具設置工事業
- 熱絶縁工事業
- 電気通信工事業
- 造園工事業
- さく井工事業
- 建具工事業
- 水道施設工事業
- 消防施設工事業
- 清掃施設工事業
土木一式工事業
内容
原則として元請業者の立場で、総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む。以下の業種でも同じです。)。複数の下請業者によって施工される大規模かつ複雑な工事。
橋梁工事やダム工事などを一式として請け負う場合には土木一式工事の許可が必要です。これらの工事の一部のみを請け負う場合には、それぞれに該当する業種の建設業許可が必要となります。
例示
管渠工事、トンネル工事、油送工事、道路工事、空港工事、鉄道軌道工事(元請)、区画整理工事、道路・団地等造成工事(個人住宅の造成は含まない)、送水・排水施設工事、護岸工事、堤防工事、樋管工事、砂防工事、海岸工事、防波堤工事、消波堤工事、離岸堤工事、ダム工事、貯水池・用水地建設工事、公道下の下水道工事(上水道は含まない)、水路工事、かんがい排水工事、港湾工事、干拓工事、地水鉄工事、地下工作物工事、鉄道軌道工事、伏樋工事、橋梁工事、水源施設工事、土木工作物の解体・除去工事などを一式として請け負うもの
※土木系の工事なら全て当てはまるわけではありません。
※盛土工事、掘削工事、ガードレール・標識等の道路付属物の設置工事はとび・土工工事業の許可が必要となります。
※団地造成工事で個人住宅に関わるものはとび・土工工事業の許可が必要となります。
※上水道工事は水道施設工事業の許可が必要となります。
建築一式工事業
内容
原則として元請業者の立場で、総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事。複数の下請業者によって施工される大規模かつ複雑な工事。
建築確認をともなう新築工事や大規模な増改築工事を請け負う場合には建築一式工事の許可が必要です。一棟の住宅を建設する場合などは建築一式工事となります。
建築一式工事の中には大抵、大工工事や屋根工事、内装工事、管工事、電気工事などの専門工事が含まれています。建築一式工事の許可は、これらの専門工事の下請け業者を束ね、元請として工事を請け負う場合に必要な許可となります。
建築一式の許可を持っていいても、大工工事などの専門工事のみを単体で請け負う場合には、その専門工事の許可が必要となります。
例示
建築確認をともなう建物の新築工事、増改築工事、建物の総合的な改修工事などを一式として請け負うもの
※建築系の工事なら全て当てはまるわけではありません。
※大規模な修繕工事であったとしても、建築確認が必要となるような工事でなければ、建築一式工事とはなりません。
大工工事業
内容
木材の加工もしくは取付けににより工作物を築造し、または工作物に木製設備を取り付ける工事
大工工事は基本的に木工事ととらえるとわかりやすいです。
例示
大工工事、型枠工事、造作工事、木工事、木製手摺据付工事、木造建築物の補修工事など
※型枠工事の中でも特に型枠が木製となる場合が大工工事となります。型枠を解体する工事や、コンクリリートを流し込む工事は、とび・土工工事業の許可が必要となります。型枠が金属製のものを使用する場合は鋼構造物工事業として扱われる場合もあります。
※柱や梁を補強する耐震工事や、界壁工事も大工工事となる可能性があります。
左官工事業
内容
工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、またははり付ける工事。建築物に対する吹付け工事も含みます。
例示
左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事、ラス張り工事、乾式壁工事など
※モルタル防水工事は、左官工事だけでなく、防水工事にも当てはまります。
※法面処理などのためにモルタル又は種子を吹付ける工事はとび・土工工事業の許可が必要となります。
とび・土工工事業
内容
- 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て、工作物の解体等を行う工事
- くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事
- 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事
- コンクリートによる工作物を築造する工事
- その他基礎的ないし準備的工事
とび・土工工事業に含まれる工事内容は非常に多いです。大抵の基礎工事がとび・土工工事業になるとお考えください。
例示
- 1.に関する工事の例
- 2.に関する工事の例
- 3.に関する工事の例
- 4.に関する工事の例
- 5.に関する工事の例
とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物の揚重運搬配置工事、鉄骨組立て工事、コンクリートブロック据付け工事、工作物解体工事、型枠を解体する工事
くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ちぐい工事
土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事
コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストレストコンクリート工事
地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、土留め工事、仮締切り工事、吹付け工事、ガードレール・標識等の道路付属物設置工事、捨石工事、外構工事、はつり工事、切断穿孔工事、アンカー工事、あと施工アンカー工事
※機械器具の運搬配置工事では、既に組み立てられた機械器具を現場に運搬し、設置するような工事を指します。現場で組立てが必要な工事は、機械器具設置工事業となります。
※コンクリートブロック据付け工事は、根固めブロック、消波ブロックの据付けなど土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事となります。建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、または擁壁としてコンクリートブロックを積み、またははり付ける工事は石工事業の許可が必要となります。コンクリートブロックにより建築物を建設する工事はタイル・レンガ工事業の許可が必要となります。
※プレストレストコンクリート工事のうち、橋梁等の土木工作物を総合的に建設する工事は土木一式工事業の許可が必要となります。
※吹付け工事はモルタル吹付け工事と種子吹付け工事を総称したものとなり、法面処理などのためにモルタル又は種子を吹付ける工事となります。建築物に対するモルタル等の吹付けは左官工事業の許可が必要となります。
※トンネル防水工事等の土木系の防水工事はとび・土工工事業となります。建築系のものは防水工事業の許可が必要となります。
※地盤改良工事とは、薬液注入工事、ウェルポイント工事など各種の地盤改良を行う工事を総称したものとなります。
※個人住宅に関わる造成工事はとび・土工工事業となります。
※鉄骨組立て工事においては、既に加工された鉄骨を現場で組立てることのみを請け負う場合はとび・土工工事業となります。鉄骨の製作、加工から組立てまでを一貫して請け負う場合は鋼構造物工事業の許可が必要となります。
石工事業
内容
石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む。)の加工または積方により工作物を築造し、または工作物に石材を取付ける工事
例示
石積み(張り)工事、コンクリートブロック積み(張り)工事、墓石工事、石鳥居の設置工事など
※建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、または擁壁としてコンクリートブロックを積み、またははり付ける工事が石工事となります。土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事はとび・土工工事業の許可が必要となります。コンクリートブロックにより建築物を建設する工事はタイル・レンガ工事業の許可が必要となります。
屋根工事業
内容
瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事
例示
瓦屋根ふき工事、スレート屋根ふき工事、金属薄板屋根ふき工事、板金屋根工事、屋根断熱工事、屋根替え工事、屋根の防水処理工事など
※瓦、スレート、金属薄板だけでなく、板金や断熱材料により屋根をふく工事は、屋根工事業となります。
※太陽光パネルを屋根に取り付ける工事は、電気工事業の許可が必要となります。
電気工事業
内容
発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事
電気工事業は、電気通信工事業や機械器具設置工事業と混同されやすいです。
電気通信工事業との違いでは、強電が電気工事業、弱電が電気通信工事業とお考えいただければわかりやすいでしょう。
機械器具設置工事業との違いでは、基本的な考え方として、電気工事業に該当するものは電気工事業として扱ってください。機械器具設置工事業は、いろいろな専門工事と重複することがありますが、その場合は原則として他の専門工事の方に区分します。
電気工事においては、500万円未満の軽微な工事で建設業許可が必要無いとしても、「一般用電気工作物又は自家用電気工作物に係る電気工事」については電気工事業登録は必要となります。電気工事業の建設業許可を受けていたとしても、この登録は必要ですのでご注意ください。(みなし電気工事業といって、簡単に登録できます)
例示
発電設備工事、送配電線工事、引込線工事、変電設備工事、構内電気設備工事(非常用電気設備を含む。)、照明設備工事、電車線工事、信号設備工事、ネオン装置工事(避雷針工事) 、電気防食工事、コンセント工事、計装工事など
※太陽光パネルの設置工事は電気工事業に該当します。
管工事業
内容
冷暖房、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、または金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事
例示
冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気調和設備工事、給排水・給湯設備工事、厨房設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、水洗便所設備工事、ガス管配管工事、ダクト工事、管内更生工事
※管工事には水道関係の工事も含まれ、水道施設工事業と重複しているように見えますが分類があります。
管工事は家屋その他の施設の敷地内の配管工事および上水道等の配水小管を設置する工事となります。
一方、水道施設工事は上水道等の取水、上水、配水等の施設および下水処理場内の処理設備を築造、設置する工事となります。
ちなみに、敷地外の公道下の下水道の配管工事や、下水処理場自体の敷地造成工事は土木一式工事業となります。
※建築物の中に設置される空調機器の設置工事は管工事となりますが、トンネル・地下道等の給排気用に設置される機械器具に関する工事は機械器具設置工事業となります。
タイル・レンガ工事業
内容
れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、または工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、またははり付ける工事
例示
コンクリートブロック積み(張り)工事、レンガ積み(張り)工事、タイル張り工事、築炉工事、スレート張り工事、ALC工事など
※スレート張り工事とは、スレートを外壁等にはる工事となり、スレートにより屋根をふく工事は屋根工事業の許可が必要となります。
※コンクリートブロックには、プレキャストコンクリートパネルおよびオートクレイブ養成をした軽量気ほうコンクリートパネルも含まれます。
※コンクリートブロックにより建築物を建設する工事はタイル・れんが・ブロック工事となります。土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事はとび・土工工事業の許可が必要となります。建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、または擁壁としてコンクリートブロックを積み、またははり付ける工事は石工事業の許可が必要となります。
鋼構造物工事業
内容
形鋼、鋼板等の鋼材の加工または組立てにより工作物を築造する工事
例示
鉄骨工事、橋梁工事、鉄塔工事、石油、ガス等の貯蔵用タンク設置工事、屋外広告工事、閘門、水門等の門扉設置工事、バックネット加工組立工事、避難階段設置工事、鋼ロックシェード工事、鋼製水槽工事など
※鉄骨工事において、鉄骨の製作、加工から組立てまでを一貫して請け負う場合は鋼構造物工事となりますが、既に加工された鉄骨を現場で組立てることのみを請け負う場合はとび・土工工事業の許可が必要となります。
※型枠工事について、金属製の型枠を使うような場合には鋼構造物工事業として扱われることもあります。
※避難階段設置工事は鋼構造物工事となりますが、火災時等にのみ使用する組立式のはしごとなる「金属製避難はしご」については消防施設工事業となります。
鉄筋工事業
内容
棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、または組立てる工事
例示
鉄筋加工組立て工事、鉄筋継手工事、ガス圧接工事など
舗装工事業
内容
道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石等により舗装する工事
例示
アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、ブロック舗装工事、路盤築造工事など
※舗装工事と併せて施工されることが多いですが、ガードレール・標識等の道路付属物の設置工事はとび・土工工事業の許可が必要となります。
※人工芝張付け工事は、地盤面をコンクリート等で舗装した上に貼り付けるものは舗装工事に該当します。
しゅんせつ工事業
内容
河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事
例示
しゅんせつ工事
※陸上で使用する掘削機で施工できるものはとび・土工工事業となります。
板金工事業
内容
金属薄板等を加工して工作物に取付け、または工作物に金属製等の付属物を取付ける工事
例示
板金加工取付け工事、建築板金工事、カラー鉄板貼付け工事、ステンレス板貼付け工事など
ガラス工事業
内容
工作物にガラスを加工して取付ける工事
例示
ガラス加工取付け工事
塗装工事業
内容
塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、または貼り付ける工事
例示
塗装工事、溶射工事、ライニング工事、布張り仕上工事、鋼構造物塗装工事、路面標示工事、下地調整工事、ブラスト工事、道路ライン工事、屋内床面標示工事など
防水工事業
内容
アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事
例示
アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事など
※防水工事に含まれるものは、建築系の防水工事のみとなります。トンネル防水工事等の土木系の防水工事はとび・土工工事業の許可が必要となります。
※モルタル防水工事は、防水工事だけでなく、左官工事にも当てはまります。
※法面処理などのためにモルタル防水工事はとび・土工工事業の許可が必要となります。
内装仕上工事業
内容
木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事
例示
インテリア工事、天井仕上工事、壁張り工事、内装間仕切り工事、床仕上工事、たたみ工事、ふすま工事、家具工事、防音工事など
※家具工事とは、建築物に家具を据付けまたは家具の材料を現場にて加工もしくは組立てて据付ける工事となります。
※防音工事とは、建築物における通常の防音工事であり、ホール等の構造的に音響効果を目的とするような工事は含まれません。
機械器具設置工事業
内容
機械器具の組立て等により工作物を建設し、または工作物に機械器具を取り付ける工事
※組立て等を要する機械器具の設置工事のみ
機械器具設置工事業に該当する工事は、現場で組立てが必要な比較的大規模な工事となります。完成している機械器具を設置するだけであれば機械器具設置工事とはならず、とび・土工工事業となります。
機械器具設置工事業は、いろいろな専門工事と重複することがありますが、その場合は原則として他の専門工事の方に区分します。どの専門工事にも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が機械器具設置工事となります。
例示
プラント設備工事、運搬機器設置工事、昇降機設置工事、内燃力発電設備工事(ガスタービンなど)、集塵機器設置工事、トンネル・地下道等の給排気機器設置工事、揚排水機器設置工事、ダム用仮設備工事、遊技施設設置工事、舞台装置設置工事、サイロ設置工事、立体駐車設備工事など
※給排気機器設置工事はトンネル・地下道等の給排気用に関する工事となり、建築物の中に設置される空調機器の設置工事は管工事業の許可が必要となります。
熱絶縁工事業
内容
工作物または工作物の設備を熱絶縁する工事
例示
冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備、燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事、ウレタン吹付け断熱工事
電気通信工事業
内容
有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事
電気工事業との違いでは、強電が電気工事業、弱電が電気通信工事業とお考えいただければわかりやすいでしょう。
例示
電気通信線路設備工事、電気通信機械設置工事、放送機械設置工事、空中線設備工事、データ通信設備工事、情報制御設備工事、TV電波障害防除設備工事、ネットワーク工事、CATV工事など
※情報制御設備工事にはコンピューター等の情報処理設備の設置工事も含まれています。
※既に設置された電気通信設備の改修、修繕または補修は電気通信工事に該当しますが、保守は該当しません。保守とは、電気通信施設の機能性能および耐久性の確保を図るために実施する点検、整備および修理を指します。
造園工事業
内容
整地、樹木の植栽、景石の据付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、または植生を復元する工事
例示
植栽工事(植生復元工事も含む)、地被工事、景石工事、地ごしらえ工事、公園設備工事(花壇、噴水、休憩所なども含む)、広場工事、園路工事、水景工事、屋上等緑化工事など
さく井工事業
内容
さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事またはこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事
例示
さく井工事、観測井工事、還元井工事、温泉掘削工事、井戸築造工事、さく孔工事、石油掘削工事、天然ガス掘削工事、揚水設備工事、ボーリング工事など
建具工事業
内容
工作物に木製または金属製の建具等を取付ける工事
例示
金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、金属製カーテンウォール取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドアー取付け工事、木製建具取付け工事、ふすま工事など
水道施設工事業
内容
上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事または公共下水道もしくは流域下水道の処理設備を設置する工事
例示
取水施設工事、浄水施設工事、配水施設工事、下水処理設備工事など
※下水処理施設工事は公共団体が設置するものに限ります。
※上水道工事は水道施設工事となりますが、公道下の下水道工事や下水処理場自体の敷地造成工事は土木一式工事業の許可が必要となります。
※農業用水道やかんがい用排水施設等の建設工事についても土木一式工事業の許可が必要となります。
※管工事業にも水道関係の工事が含まれ、水道施設工事業と重複しているように見えますが分類があります。水道施設工事は上水道等の取水、上水、配水等の施設および下水処理場内の処理設備を築造、設置する工事となり、管工事は家屋その他の施設の敷地内の配管工事および上水道等の配水小管を設置する工事となります。
消防施設工事業
内容
火災警報設備、消火設備、避難設備もしくは消火活動に必要な設備を設置し、または工作物に取り付ける工事
例示
屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体または粉末による消火設備工事、屋外消火栓設置工事、動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋または排煙設備の設置工事など
※ビルの外壁に固定された避難階段等は金属製避難はしごに該当しません。よって、避難階段を設置する工事は消防施設工事業ではなく、建築一式工事業または鋼構造物工事業に該当します。
清掃施設工事業
内容
し尿処理施設またはごみ処理施設を設置する工事
例示
ごみ処理施設工事、し尿処理施設工事
※公共団体が設置するものに限ります。
2.土木一式工事や建築一式工事の注意点
勘違いされる方が多いので詳しく説明いたします。
土木一式工事や建築一式工事の業種で建設業許可を取っていても、それだけで専門工事について500万円以上の工事が請けられるようにはなりません。それぞれの業種で建設業許可を受けなければなりません。
例えば、建築一式工事の許可を取得していたとしても、500万円以上となる屋根工事や内装仕上工事を単体では請け負うことができません。請け負うためには、屋根工事や内装仕上工事の許可を取得しなければなりません。
土木一式工事についても、500万円以上の盛土工事やくい打ち工事を請け負うことはできず、どび・土工工事の許可を取得しなければなりません。
一式工事の許可は何のためにあるか
一式工事は、総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物または建築物を建設する工事となります。
イメージとしては、元請業者が大規模な工事や複数の専門工事が組み合わさった複雑な工事を総合的にマネージメントする、といった内容です。こういった内容の事業を行っていなければ、一式工事の許可は必要ではなく、専門工事の許可を取得するべきです。
3.業種がわからない場合の確認方法
業種の確認をおろそかにしてしまうと、せっかく建設業許可を取得したとしても実際に必要な業種ではなく、建設業法違反を犯してしまいかねません。
これまでの文章を読んでも業種がわからない方は、手間はかかりますが、一度、行政の判断を仰いだ方が良いでしょう。
工事の明細やパンフレットなどの工事内容がわかる資料を持参して、審査官に相談してください。
審査官は地域によって異なりますが、基本的には都庁や県庁の建設業課となりますので、お電話にて確認してください。
各地域の問い合わせ窓口
建設工事に該当しないもの
もし、次のような事業内容であれば、建設工事に該当しませんので建設業許可は必要ありません。
以下のような事業内容で経営経験や実務経験があったとしても、それだけでは建設工事の経験とはならず、建設業許可を取得できません。
- 草刈り
- 雑木伐採
- 樹木等の剪定
- 庭木の管理
- 溝掃除
- 除雪
- 工事現場の警備、警戒
- 測量・調査(土壌試験、分析、家屋調査等)
- 建設資材(生コン、ブロック等)の納入
- 仮設材のリース
- 資機材の運搬(運送)業者(据付等を含まないもの)
- 機械・設備等の保守及び点検修理
- 委託管理業務
- 船舶・自動車等への作業
4.業種ごとの建設業許可の要件
必要となる業種が定まった方は、以下のリンクより許可を取得するための要件をクリアしているか確認してください。
○○工事業の許可の要件
まとめ
建設業の28業種についてお伝えいたしました。
業種が決まらなければ建設業許可の取得が進みません。しっかりと確認してください。
注意点として、土木一式工事や建築一式工事は万能ではありません。
500万円以上の専門工事を請け負うためには、一式工事だけでは足りず、その専門工事に関する建設業許可が必要となります。
このページを見ても業種がわからなければ、都庁や県庁にて、個別に確認を取る必要があります。
業種が決まった方は、それぞれの業種で建設業許可の要件がありますので、その要件をクリアしているか確認してください。