元請先や銀行からの要望で急いで建設業許可を取りたい!
そういった方は多いのではないでしょうか?
建設業許可を取るためには、多くの書類を準備し、役所に申請をして、審査を受けなければなりません。
審査の期間だけで1カ月以上かかります。
それに加えて申請書類の準備の時間があります。
行政書士が代行したとしても、書類の準備に1週間程度かかります。ご自身で準備するとなると、1カ月以上かかったとしてもおかしくありません。
なぜかというと、建設業許可を取るためにはクリアしなければいけない要件があり、その要件を満たしているか、全て書類を提示して証明しなければならないため、非常に多くの書類の準備が必要だからです。
建設業許可を急いで取りたい方が、少しでも取得までの期間を短縮できるよう、行政書士を選ぶ際のポイントや、ご自身で行う際にも短縮できるポイントをお伝えします。
是非参考にしてください。
1.建設業許可の取得までにかかる期間
建設業許可の取得までには、大きく分けて申請書類の準備と役所による審査の2つのフローがあります。
取得までの期間を短縮するためには、申請書類の準備をいかに短くできるかが重要です。審査期間は法令により定められているため短縮することはできません。
1-1.許可取得までの一連の流れ
まずは建設業許可を取得するまでの全体像を抑えましょう。
1-2.申請書類を準備するのにかかる時間
建設業許可を申請するためには、要件を確認し、申請書類の準備が必要です。
どんなに早い行政書士でも、問い合わせから書類を完成させるまで2、3日はかかります。一般的には1週間で完成させるところが多いです。
ご自身で行うとなると、要件の確認だけで一苦労ですし、書類の作成までするとなると非常に労力を使います。早くても1週間、人によっては1カ月以上かかることもあり得ます。
1-3.役所による審査期間
書類を準備し、受付窓口となる都庁や県庁の建設業課にて持っていくと、要件を満たしているか、書類に不備が無いかのチェックを受けます。そして問題がなければ受理となり、そこから審査期間がスタートとなります。
この審査期間は、申請する建設業許可の種類により異なります。知事許可と大臣許可による違いです。
また申請する地域によっても違いがあります。
- 知事許可は30日から45日が審査期間となり、地域によって異なります
- 大臣許可は120日程度が審査期間となります
2.建設業許可の取得を早めるポイント
先ほどお伝えしたように建設業許可の取得を早めるためには、書類の準備をいかに短くするかが重要です。
行政書士が代行するか、ご自身で行うかで大きく異なります。
当然ですが、行政書士に依頼した方が圧倒的に早く申請できます。しかし、行政書士の中でもスピード感に違いがありますので、対応の早い行政書士を選ぶポイントをお伝えします。
一方で、行政書士に依頼するとなると費用がかかります。相場としては12万円程です。この費用を節約するために、ご自身で申請する道を選ぶ方もいるでしょう。そんな方のために、効率良く申請するためのポイントをお伝えします。
2-1.どちらも共通してできること
行政書士が代行するか、ご自身が行うかを問わず、どちらの場合でも共通してできることがあります。それは必要書類の取得です。
建設業許可の申請書類には、作成しなければならない書類と、取得しなければならない書類があります。取得しなければならない書類は、役所や法務局、税事務所、銀行にて取得します。
一般的に取得が必要な書類は以下となります。
(会社が知事許可一般の建設業許可を取得する際に必要となる書類です)
取得先機関 | 書類名称 | 備考 |
---|---|---|
現住所管轄の市区町村役場 | 印鑑証明書 | 経営業務の管理責任者、専任技術者となる方のもの |
住民票 | 経営業務の管理責任者、専任技術者となる方のもの | |
本籍地管轄の市区町村役場 | 身分証明書 | 役員全員分(監査役を除く) |
法務局 | 登記事項証明書 | 申請者する法人のものと、 経営経験や実務経験を証明するためのもの |
建物登記簿謄本 | 営業所が自社(自己)所有の場合 | |
登記されていないことの証明書 | 役員全員分(監査役を除く) | |
都道府県税事務所 | 納税証明書 | 法人事業税の納税証明 |
銀行 | 預金残高証明書 | 直前の決算で純資産合計が500万円未満の場合 |
ご覧のとおり、いろいろの機関で取得しなければなりません。全てを一度に取るとなると半日以上はかかってしまいます。まとまった時間が取れない方は、徐々に書類の取得を進めてください。
ただし、取得した書類には有効期限があります。ご自身で申請を行う場合は、書類の作成に時間がかかってしまうと、再度取り直しとなる恐れがありますので、その点ご注意ください。
2-2.行政書士を選ぶ際のポイント
行政書士は書類作成の専門家ですので、余程難しいケースでない限り、依頼後1~2週間で申請となるでしょう。しかし、中にはそうならない行政書士もいます。行政書士に依頼する以上はスムーズな申請ができるよう、以下のポイントに注意して選んでください。
建設業許可の新規申請を得意としているか
建設業許可の手続きは行政書士の仕事の中でも難しい業務となり、全ての行政書士ができるわけではありません。
さらに、業務内容に建設業許可の記載があっても、新規申請の経験は少ない方もいます。新規のお客様を獲得するためには集客力も必要となるためです。新規申請は、更新や変更の手続きに比べて最も多くの書類が必要となりますので、経験が少ないとお客様に余分な手間をかけてしまうことになります。
新規申請の実務能力と、集客力を兼ね備えている行政書士は限られます。ホームページが充実している行政書士はこの点をクリアしている可能性が高いでしょう。新規申請を得意としているかは、大抵の行政書士がホームページ上に実績を掲載していますのでそこから判断してください。逆に新規申請の実績が乏しいところや、実績を掲載していないところは注意が必要です。
スピード対応ができるか
問い合わせをする際、急いで建設業許可の申請をしたい旨を伝えれば、大抵の行政書士が要件を確認し、必要書類の打診とともに打合せの段取りを組むはずです。
しかし、要件の確認や必要書類の提示もせずに、とりあえず数日後に打合せの予定のみを入れる場合は注意が必要です。忙しくて時間が取れない、経験が乏しいなど、迅速な対応ができない可能性があります。少なくともそういった事務所は、急いでいるお客様には合わないでしょう。
また、余程難しいケースでない限り、経験がある行政書士であれば書類作成に1週間以上はかかりません。打合せ時にそれ以上の期間を提示されるようなら注意してください。
2-3.自分で申請を行う際のポイント
建設業許可の申請をご自身で行う場合ですが、要件を確認するだけでも一苦労です。建設業許可の3つの要件|初心者でも簡単に許可取得の判断がつきます! にて出来るだけ簡単に判断が付くようにしていますので参考にしてください。
書類の作成についても、初心者の方にとっては何から手を付ければ良いのかわからないでしょう。初めて建設業許可を申請する人が必要となる書類のまとめをご覧いただき、大まかな必要書類を理解してください。
その上で、時間を短縮するために行っていただきたいことが1つあります。
要件や必要書類の確認のため窓口で事前相談をする
建設業許可の申請は、用意した書類に不備があると受け付けてもらえません。ご自身で申請を行う場合は、恐らく一度では受け付けてもらうことは難しいでしょう。二度目で受理となれば良い方で、何度も足を運ぶこともあり得ます。
であれば、急がば回れと言われているように、ある程度の知識を付けたら、窓口にて要件をクリアしているかの確認と、申請に必要な書類の確認を取るようにしてください。
窓口となるのは、大抵の地域が都庁や県庁の建設業課となりますが、中には土木事務所となる場合もあります。出向く前に都庁や県庁のホームページより窓口となる場所を確かめてください。
そうすることで、漏れがなくなるだけでなく、全体感がはっきりとわかり書類の作成や準備の効率も上がるでしょう。
まとめ
建設業許可を取得するためには、必要な書類を準備し、役所での審査を受けなければなりません。
役所での審査は決められているので、より早く許可を取得するためには書類の準備を早く済ませるしかありません。
行政書士に依頼する場合と、ご自身で申請される場合のそれぞれで、取得までの時間を短縮するポイントをお伝えしました。
書類の作成を行政書士に依頼する場合には、行政書士選びのポイントが2つあります。
- 建設業許可の新規申請を得意としているか
- スピード対応ができるか
ご自身で申請される場合は、1つだけ行っていただければ申請までがスムーズになるでしょう。
- 要件や必要書類の確認のため窓口で事前相談をする
上記を行っていただければ、少くとも数日は許可取得までの期間を短くすることができるでしょう。